お恥ずかしい話ですが、実はまだ一度も有田陶器市に行ったことがありません。
そもそも、有田の町をゆっくり歩いたこともなく、もっぱら国道沿いを横切るくらいしかありませんでした。

しかし、勿体無いことをしていたということに気づいてしまいました。
今回は有田の良さを感じる、素敵なランチのご紹介です。

有田駅の近くにある、保名(やすな)という料亭があります。
食べログを見てもかなり高級そうなお店です。ランチの陶箱弁当ならがんばれるかなと思い、行ってみました。

オーダーするとすぐに、ごどうふが運ばれてきます。
胡麻豆腐のような食感と、あっさりとした風味がクセになる有田のご当地料理です。

ごどうふに続けて出されるお造り。
もちろんお刺身自体も美味しいのですが、ついついお皿のほうに目がいってしまうほど、カラフルで繊細な柄でした。
食べた後に出てくる模様にさえも、うっとり。


そしてメインの陶箱がこちら。
しっかりと蓋がしてあり、自分で開けるようになっています。

開けてみると・・・

このように、数え切れないくらいの食材が少しずつ、たくさん入っていました。
開けた瞬間は、「わぁーーーー！」という言葉しか出てきせんでした。何度でも開け閉めしたくなりそうです。

陶箱の中に入っている器も、すごく綺麗です。この中にはもずく酢が入っていました。

このお弁当のすごいところは、表面には見えないところにも丁寧さが隠れているところだと言えます。

桜に形取られた山芋や、焼き色が美しいお魚が下から出てきて、感動が続きます。
また、海老の殻がむかれていて、手を汚さずに食べれました。これがいちばん嬉しかった。

ちらし寿司とお吸い物、お新香もあとからやってきます。
以上で税込2500円。高価ですが、器も含めたクオリティと食材の数、そして繊細な下ごしらえを考えると、リーズナブルだと断言できます。

けっこう急ぎめで食べていたつもりですが、あっという間に１時間を過ぎてしまうほど、充実したランチを楽しめました。
竜宮城で長い年月を過ごした浦島太郎の気持ちが、今ならなんとなく分かる気がします。