九州ええもん見っけ隊
(更新)
お取り寄せで実現する、人生最高の晩酌。霧島IPAと佐賀和牛生ハムが紡ぐ物語。
これは警告だ。この記事を読んだが最後、あなたの食の価値観は根底から覆されるかもしれない。
我々は、九州という美食の大地で、偶然にも出会うべくして出会ってしまった「禁断の組み合わせ」を発見した。南国・鹿児島の霧島で、一人の異才が5年以上の歳月をかけて磨き上げたクラフトビール。そして、肥沃な大地・佐賀で、常識を覆す挑戦の末に生まれた「和牛の生ハム」。
それぞれが主役として成立するこの二つが交わった時、そこに生まれるのは単なる「美味しい」という言葉では表現不可能な、脳がバグるほどのシナジーだった。
これは、単なる食レポではない。二人の職人の執念の物語であり、味覚の化学反応を解き明かす科学レポートであり、そしてあなたの週末を生涯忘れられないものに変えるための、悪魔的な招待状である。

このペアリングの深淵を覗くには、まず、その創造主たちの物語を知らねばならない。片や、半導体エンジニアから醸造家へ。片や、世界初の「和牛生ハム」に挑んだ開拓者。彼らの執念が、この奇跡を生んだ。
鹿児島、霧島。神々が降り立ったと伝わるこの神秘的な土地に、新進気鋭のブルワリー「ASH HEAD BREWERY」は存在する 。その主、永川祥平氏は異色の経歴を持つ。かつて彼は、半導体製造装置の立ち上げエンジニアとして世界を飛び回っていた 。
0.001ミリの精度が求められる半導体の世界。そこで培われた精密な科学的思考と品質管理への執着は、ビール造りという応用化学の領域で、彼の最強の武器となった。
「本当に美味しいビールを造りたい」。その一心でエンジニアのキャリアを捨て、単身アメリカへビール修業に渡る 。帰国後、彼は「ファントムブルワー(自社醸造所を持たない醸造家)」として活動を開始。しかし、理想の味を追求する道はあまりに過酷だった。

ASH HEAD BREWERY
「自分で作ったビールを管理できないのは作り手としてとても歯痒いものです」
理想の味を確認するためだけに、委託先の宮崎まで霧島から往復4時間かけて通う日々 。そのもどかしさと情熱が臨界点に達した時、彼は自らの聖域、すなわち自身の醸造所を霧島に設立することを決意する 。
5年以上の歳月をかけ、ミリ単位でレシピを調整し続けた末に完成したのが、彼の原点にして魂の結晶、「MIST ISLAND」IPAなのだ 。

一方、佐賀県鳥栖市。九州の交通の要衝であるこの地で、もう一人の革命家が常識に戦いを挑んでいた。EverFood株式会社の倉橋社長である。
彼がやろうとしていたことは、当時、誰にも理解されなかった。「和牛の生ハム」を造る。そのアイデアは、あまりに突飛だった。
「そのようなものは製造してはだめだ・・とお客様から言われる始末。製造してくれる協力工場を探すのにも丸2年かかりました」
周囲の無理解と冷笑。それでも彼は諦めなかった。そして、2年もの歳月をかけてようやく見つけた協力工場と共に、世界初の挑戦に乗り出す。しかし、本当の試練はそこからだった。
そんな中、ある食中毒事件が彼の運命を変える。世間が加工品の「安全性」に極めて敏感になったことで、塩分を巧みに使い、非加熱で安全性を確保する彼の「和牛生ハム」に、突如として光が当たったのだ 。
逆境を乗り越え、今や東京の美食家たちを唸らせる逸品となった「佐賀県産 和牛生ハム」。それは、最高級のサーロインだけを使い、和牛が持つ本来の旨味と、舌の上でとろける脂の甘みを極限まで引き出した、執念の産物である。

物語は知った。では、本題に入ろう。なぜ、この二つを合わせると「脳がバグる」のか。その化学反応を、分子レベルで解剖する。
このペアリングは、3つの段階で我々の味覚を多角的に攻撃してくる。
まず、和牛生ハムを一枚、舌の上に乗せる。常温に戻したサーロインの脂が、体温でじゅわ…と溶け出し、濃厚な甘みと旨味が口内を支配する。まさに至福。しかし、このままだと数枚で満足してしまうだろう。
ここに、「MIST ISLAND」を流し込む。次の瞬間、奇跡が起きる。
IPAが持つIBU:50という明確で力強いホップの苦味 と、6.5%のアルコールが、舌の上に広がった脂を
完全にリセットするのだ 。まるで脂の存在が洗い流され、口の中が初期化される感覚。この「切断」と「洗浄」の作用こそが、このペアリングを無限ループへと誘う、第一のエンジンである。
口内がリセットされた刹那、鼻腔を抜けるのは、IPAの爆発的なアロマだ。シトラホップ由来の鮮烈な柑橘香、そしてマンゴーやストーンフルーツを思わせる甘く華やかな香り 。これが、和牛生ハムが持つ芳醇な熟成香と絡み合い、全く新しい第三の香りを生み出す。
さらに、生ハムの塩味がビールのフルーティーなアロマを増幅させる効果を発揮 。ビールはより華やかに、生ハムはより奥深く感じられる。これは香りの「補完」であり「増幅」だ。
最後に訪れるのが、穏やかで深い「同調」だ。ビールの土台を支えるカラメル麦芽のほのかな甘みと香ばしさ 。これが、和牛の脂の甘みと完璧にシンクロする。さらに、和牛の持つアミノ酸の旨味と、麦芽の旨味が共鳴し、味わいに圧倒的な奥行きを与える 。
この三位一体の攻撃が、我々の脳の処理能力を超え、「美味い」という単純な判断を麻痺させる。これこそが「味覚のバグ」の正体だ。

この官能的な体験を、あなたの食卓で完璧に再現するための儀式を伝授しよう。手順を間違えれば、このペアリングの真価は半減する。心して読んでほしい。
冷凍で届いた和牛生ハムは、食べる半日ほど前に冷蔵庫へ移す。そして、食べる15~20分前に冷蔵庫から出し、皿に並べて常温に馴染ませる。これが絶対の掟だ。脂がうっすらと汗をかき、艶を帯びてきたら、それが「目覚め」の合図。最高のポテンシャルが解放される。
「MIST ISLAND」はキンキンに冷やしすぎてはいけない。香りが閉じてしまうからだ。冷蔵庫から出して数分置いた、8℃~11℃あたりが理想 。グラスは、香りを閉じ込めるチューリップ型のグラスが最適だ。
まず、生ハムを一枚、そのまま口へ。舌の上で脂が溶け出すのをゆっくりと待つ。目を閉じ、和牛の旨味と香りを脳に刻み込め。
次に、ビールを一口。喉で味わうな。口全体に広げ、鼻から息を抜き、ホップのアロマを感じる。
準備は整った。生ハムを口に含み、旨味が広がった瞬間に、ビールを追いかけるように流し込む。 口の中で起こる化学反応に、ただ身を委ねてほしい。
このペアリングに慣れてきたら、ほんの少しだけ、粒の粗い黒胡椒を挽いてみろ。あるいは、最高品質のエクストラバージンオリーブオイルを一滴だけ垂らしてみろ。新たな味覚の扉が開くことを約束する。
鹿児島・霧島のエンジニア魂と、佐賀・鳥栖の開拓者魂。二つの職人の執念が時空を超えて交差した、奇跡のペアリング。
これは単なる食事ではない。物語を味わい、科学を感じ、そして自らの五感の限界に挑戦する、知的で官能的な「体験」だ。
平日の疲れを吹き飛ばす、週末の背徳的な晩酌に。大切な誰かと、言葉はいらない特別な時間を過ごすために。あるいは、ただひたすらに「美味い」の向こう側へ行きたいと願う、すべての食の求道者たちへ。
この禁断の扉を開ける準備は、できただろうか。
ブルワリー公式Instagramや各種オンラインビアショップで販売情報を確認できます。限定醸造の場合もあるため、見つけたら即座に確保することを推奨します。
公式オンラインストアや提携するグルメ通販サイトからお取り寄せ可能です。最高級部位のため、特別な日のために手に入れてください。
EverFood 公式オンラインストア
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