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九州ええもん見っけ隊

【宮崎 へべす(平兵衛酢)と白身魚のカルパッチョ × 佐賀 OGIGIN 想(そう)】

更新)

夏の夕暮れに響く風鈴の音。幻の柑橘が引き立てる白身魚の旨味と、佐賀・小城のボタニカルが織りなす至高のマリアージュ。

夕暮れの風が、ほんの少しだけ涼を運んでくる夏の夕刻。我が家に「まいぷれ佐賀」の代表から、一箱の心躍る贈り物が届きました。

胸を躍らせながら包みを開けると、現れたのは佐賀県小城(おぎ)市の美しき自然が育んだクラフトジン、小城蒸溜所の「OGIGIN 想(そう)」。

洗練されたボトルを開封した瞬間、部屋の空気が一変しました。ふわりと鼻腔をくすぐる、驚くほど華やかで清らかな香り。それはまるで、朝霧が立ち込める九州の深い森に足を踏み入れたかのようなみずみずしさです。

清らかなる「想」の雫に導かれ、夏のキッチンへ

堪らず、まずはストレートで一口、唇を湿らせてみます。――ハッと息をのむほどの美しさ。45度というアルコールの強さをまったく感じさせないほどシルキーで、ボタニカルの優しい甘みと奥深い余韻が、じんわりと身体に染み渡っていくのです。

「ああ、なんて綺麗なジンなんだ……」

この凛とした佇まいの「想」を味わった瞬間、私の脳裏にある鮮烈な閃きが駆け巡りました。「このお酒には、あの宮崎の伝説の柑橘『へべす』を合わせた白身魚のカルパッチョが、間違いなく最高の相棒になるはず!」と。

居ても立ってもいられず、私は早速キッチンへと向かいました。

キッチンに満ちる爽快な香り、五感で愉しむ夏のひと皿が完成するまで

今回合わせる白身魚は、夏にぴったりの清涼感溢れるもの。そして主役となるのが、宮崎県日向市が発祥の幻の柑橘「へべす(平兵衛酢)」です。へべすは皮が薄く、ひとたび包丁を入れれば、驚くほどたっぷりの果汁が溢れ出します。その最大の魅力は、カボスやスダチとも違う「まろやかな酸味」。決して料理の味を邪魔せず、素材の旨味を引き立てる名脇役なのです。

まずは、刺身用の白身魚を丁寧に薄くそぎ切りにし、お皿へと美しく並べていきます。

ここで、ひと手間。へべすの緑色の皮の部分を、おろし金でほんの少しだけすりおろし、魚の上へ雪のように振りかけます。その瞬間、キッチンいっぱいに、弾けるような爽快な香りが立ち上り、思わず調理する手も弾みます。

仕上げに、エキストラバージンオリーブオイル、へべすの豊かな絞り汁、そして塩コショウをしっかりと混ぜ合わせた特製ドレッシングを、きらめく魚たちの上へ惜しみなく回しかけます。最後に、輪切りにしたへべすとフレッシュハーブをあしらえば、目にも鮮やかなカルパッチョの完成です。

黄金比のソーダ割りを片手に、夕暮れの借景と風鈴の音に身を委ねて

さあ、いよいよ「想」の準備。

真夏の今宵、選ぶのはもちろんソーダ割り(ハイボール)です。

薄手の透明なロンググラスに、カランと音を立てて純度の高い氷を満たします。そこに「想」を注ぎ、マドラーで氷と馴染ませてから、冷えたソーダを優しく、泡を潰さないように注ぎ入れます。「想」の持つ繊細な香りと食事とのバランスを崩さないよう、比率は「想 1:ソーダ 3.5」とウイスキーハイボールの 黄金比になぞらえてみました。やはり!この絶妙なバランスは、ジンの持つボタニカルの甘みを最高に引き出してくれました。

すべての準備が整い、夕涼みのテラスのテーブルへ。

西の空がゆっくりと茜色から紫色のグラデーションへと染まっていく、美しい夏の夕暮れを借景に、どこからかチリン、と涼やかな風鈴の音が響きます。

グラスを傾ければ、ソーダの弾ける泡とともに、「想」の清涼感ある香りがさらに優しく花開きます。

 

 

へべすと「想」が手を取り合う瞬間、夏の夕涼みに見つけた極上の幸せ

まずはカルパッチョをひと口。へべすのまろやかな酸味を纏った白身魚は、噛むほどに上品な甘みが引き立ち、皮のすりおろしがもたらす清々しい香りが鼻に抜けていきます。オイルのコクをへべすが優しく包み込み、えも言われぬ上品な味わいです。

そこへ、黄金比で割った「OGIGIN 想」のソーダ割りをすっと口に含みます。

――その瞬間、口の中で奇跡のような「味の祭典」が始まりました。

へべすの柔らかな酸味と、ジンの持つ洗練されたボタニカルの風味が、まるでお互いを求め合うように完璧に調和していくのです。魚の旨味を「想」のクリアな味わいがさらに引き上げ、ソーダの泡がカルパッチョのオイルを心地よく洗い流しながら、へべすの爽やかな余韻だけを心地よく喉の奥へと連れていってくれます。

お互いの個性を消すことなく、むしろ手を取り合って高め合う、これぞまさに至高のマリアージュ。風鈴の音に耳を傾けながら、この贅沢な食の五重奏をじっくりと噛み締める幸福感といったらありません。

九州の豊かな大地と人の手が生み出した、一期一会の素晴らしい出逢い。

 

「いやぁ…今日も、ええもん見っけたわ~。」

九州の「ええもん」を紹介するこのコーナー、今回も胸が躍るペアリングでした。

佐賀・小城の豊かな自然が磨き上げた「OGIGIN 想」の洗練された香りと、宮崎・日向の誇りである伝説の柑橘「へべす」のまろやかな酸味。県境を越えた二つの極上が、夏の夕暮れという最高のロケーションで見事に溶け合うドラマは、まさに私たちが発掘し、届けたい「九州の宝」そのものです。へべすを刻む瞬間の香りやソーダ割りの黄金比など、五感を刺激するリアルなシズル感を大切に落とし込みました。

ちょっと上質なトーンで贅沢な世界観を描きたいなぁと思ったものの、最後はやっぱり「今日もええもん見っけたわ~♪」と、私自身の心からの弾む喜びの言葉が溢れ出す。
この親しみやすい熱量こそが、「九州ってやっぱりすごい!」「自分も試してみたい」と思っていただける原動力になると信じています。

お店情報【商品提供】

今回の酒 「OGIGIN 想(そう)」

小城観光まちづくり株式会社

所在地: 佐賀県小城市小城町903番地

電話: 0952-60-2095

創業: 2020年7月

オンラインショップ:https://ogidistillery.stores.jp/

 

今回の食材 「へべすと白身魚のカルパッチョ」

宮崎県日向市発祥の「へべす」は、江戸時代に長曽我部平兵衛さんが山中で発見したことからその名がついた、歴史ある幻の柑橘です。ハウス物は6~7月、露地物は8月中旬~10月上旬に旬を迎えます。皮が薄く種がほとんどないため果汁がたっぷりとれ、カボスやスダチよりも酸味がまろやかでフルーティーなのが特徴。白身魚の上品な甘みを極限まで引き立てるカルパッチョは、まさにへべすの魅力を五感で愉しめる絶品です。


※掲載情報は取材時点のものです。詳細は各店舗へお問い合わせください。

 

※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。